お世話はどうするの?《最高のパートナーになるために》
盲導犬のお世話って誰がしているんだろう?という疑問をお持ちになったことはありませんか?
盲導犬の食事やトイレ、月1~2回のシャンプーなど盲導犬のお世話は、基本的に盲導犬ユーザーが責任をもって行います。
ワクチンや予防注射など盲導犬の健康管理も同じです。
これによって年月を重ねれば重ねるほど、盲導犬ユーザーと盲導犬の間に深い信頼と絆が生まれます。
安全な歩行のお手伝いだけが盲導犬の役割ではなく、盲導犬ユーザーにとって希望と喜びを与えてくれる最高のパートナーでもあります。
誰でも盲導犬は貸与してもらえるの?《貸与の条件》
もちろん、盲導犬も命ある生き物ですので、誰でも盲導犬を貸与してもらえる訳ではありません。
盲導犬貸与申請者の主な条件
1.身体障害者手帳をお持ちの方(保有視覚のある方でも可)
2.原則18歳以上の方(18歳未満の方はご相談ください)
3.「盲導犬と積極的に外出したい」と希望されている方
4.約4週間の共同訓練(盲導犬と歩く訓練)を受けられる方
5.責任を持って盲導犬の適切な管理が出来る方
という条件があります。
そして、盲導犬貸与申請書をもとに協会内で審査を行なわれます。
書類審査を通過した方は盲導犬歩行指導員が自宅を訪問し、盲導犬を希望する理由や住居状況・周囲の環境・家族の協力などの調査、また、歩行速度・平衡感覚・方向感覚・聴力・盲導犬のコントロール能力について歩行チェックを行ないます。
その後、クリアしたら、4週間の共同訓練に入ります。
この共同訓練では、歩行訓練の他に、犬の手入れ(ブラッシング・シャンプー)や扱い方、お互いの信類を高めるためのコミュニケーションの取り方、街の構造や地図の把握、状況判断に必要な情報収集の方法についても学習します。
また、盲導犬の歴史や日常の健康管理、排泄のさせ方、犬の伝染病や盲導犬に関わる法律についてなど、盲導犬使用者(ユーザー)として必要な知識も学習します。
共同訓練が終了し盲導犬と共に帰宅するときには、盲導犬歩行指導員が同行し、初回のアフターフォローを行ないます。
各自の環境にあった飼育方法・家の周辺やいつも使用する道路や目的地などの歩行指導・職場への受け入れ願い、排泄場所の確保等を行ないます。
ユーザーは1年間は定期的に報告書を提出し、随時必要なアドバイスを受けます。
その後は必要に応じてフォローアップを行います。
定期的に協会の方がフォローアップしてくれるから、安心ですね。
盲導犬ってトイレは我慢してる?処理は?《排泄について》
よく、盲導犬はトイレを我慢しているの?という話を聞きます。
ですが、上記のようにきちんと責任を持って盲導犬をお世話できる方にしか、貸出はしていません。
盲導犬は毎日同じような時間に、同じような量のフードと水を与えていますから、トイレの量や時間も大体決まっています。
共同訓練の段階からユーザーは犬の排泄のさせ方や処理の仕方を学び、犬に排泄を我慢させるようなことがないよう、餌や飲料水の量やタイミングを考慮し、定期的に排泄を促すようにしています。
また、外出先で土や草などが無い場所も想定し、そういった場所でも排泄できるよう、特別なベルトを利用してビニール袋の中へ直接排泄物が入るよう工夫したトレーニングもしています。
そうすることによって、犬たちに我慢させることなく、適宜な場所で自由に排泄させることができ、さらに地面に直接排泄物を落とすことなく処理することができます。
素朴な疑問を解決するシリーズです。