「障害者に優しく」徹底 警察庁、全国に指示

盲導犬「オスカー」が刺されたとみられる事件など障害者に対する犯罪が注目を集める中、警察庁が障害のある犯罪被害者に対して配慮ある対応をするよう全国の都道府県警に指示したことが19日、分かった。同事件後、視覚障害者の団体から「警察に被害届を受け取ってもらえなかったことがある」と指摘されたことを受け、同庁は障害者に対してより適切な対応を取るよう警察全体に指導する必要性を認識。全国の現場レベルまで「障害者に優しい警察」が徹底されることになった。

同庁によると、指示は9月下旬以降、全国の都道府県警の代表が集まる会議などで行われ、同庁の松岡亮介・捜査1課長などが「障害者の被害者が置かれている状況に配慮した対応をとるように」と伝えている。

指示の内容は、各都道府県警の警察署や交番などの現場まで下ろすようにしているという。

オスカー事件を受け、超党派の議員連盟「身体障害者補助犬を推進する議員の会」(会長・尾辻秀久元厚労相)が9月10日、国会内で関係省庁から行ったヒアリングの席で、「全日本盲導犬使用者の会」の深谷佳寿副会長が「犯罪に遭って警察に届けようとしたところ『目が見えないから被害を確認できない』といわれ、被害届を出せなかったという声がある」などと話し、適切な対応を求めていた。

これに対し、出席した松岡課長が「申し訳ない。持ち帰って現場に徹底するよう指示したい。(オスカー事件では)被害届を出してもらい、捜査している」と応じていた。

同庁はこれまで、政府が定めた第3次障害者基本計画に基づき、障害者への理解を深める警察職員研修の実施や手話ができる警察職員の交番への配置、犯罪被害のイラストを集めた「コミュニケーション支援ボード」の活用などを行ってきた。

同庁捜査1課は「障害のある被害者にはハンディキャップがあることを考慮して相談を受ける必要がある。支援機関と連携し、補助者の立ち会いを求めるなどで対応できる」と説明。特に、視覚障害者の犯罪被害については「目が見えないと犯罪に関する情報量が減ってしまうが、だからといって捜査できないわけではない。監視カメラや目撃者を捜すなどして期待に応えていきたい」と話し、より積極的に対応していく意向を示した。

今年7月、埼玉県内で盲導犬のラブラドルレトリバー「オスカー」が何者かに先端が鋭くとがったもので刺され、けがをしたとされる事件。全盲の男性が通勤時に連れていた。埼玉県警が器物損壊容疑で捜査している。

以上、産経ニュースより転載

記事URL

http://www.sankei.com/affairs/news/141020/afr1410200003-n1.html

 

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