5月のとある週末、北海道盲導犬協会にある【老犬ホーム】へお邪魔し、老犬ホーム担当の辻さんにいろいろなことを教えていただきました!
パピーウォーカーが一番最初の連絡先
北海道盲導犬協会から貸与された盲導犬たちは、引退(引退年齢:12 歳)が決まると、まずは引退犬のパピーウォーカーさんのところへ引退した旨の連絡がいきます。
そして一度必ずこの老犬ホームへと帰ってきます。
理由は健康状態の確認や、引退犬にとって一番良い生活環境を考察するためです。
この考察で、その後の生活の処遇が決定されます。
決定後は老犬ホームの他に、引退犬のパピーウォーカーさん、または一般の老犬飼育委託ボランティアさんのいずれかで生活をします。
現在、北海道盲導犬協会の老犬(引退した盲導犬・繁殖犬・PR 犬)は全部で52 頭。 それぞれが老犬ホームや、老犬飼育委託条件を満たした各ボランティアさんのところで生活しています。
一頭一頭、一頭一頭、大切に見守る
老犬ホームの職員さんは、パートを含めて4 名いらっしゃいます。
その他にボランティアさん5名が交替で毎日手伝ってくれています。
夜間は宿直専門のパートさんが犬たちの側にいて、なにか異変などがあると宿直の職員さんへ連絡するようになっています。
きめ細やかな対応で、犬たちも幸せそう。
素敵なサンルームへ
お話している間、甘えっ子たちが足元に寄ってきていました。
のんびりとしている子、まだまだ元気な子、ゆっくりゆっくりな子…さまざまでしたが、どの子達も優しく穏やかな顔をしていました。
2階には、屋上を利用した『老犬サンルーム』と『屋上老犬広場』があります。広くて気持ちがいい!
犬舎から直接エレベーターで行けるので、足腰が弱った子も外の空気を楽しめます。
お仕事を終えて帰ってきた犬たちの、憩いのすみか
盲導犬の老犬ホームは現在全国で2 施設しかありませんが、盲導犬を増やすことと並行して、引退後から亡くなるまでの犬生を幸せに過ごせるよう、どの盲導犬育成施設も環境を整えているそうです。
今回お邪魔した老犬ホームも、ゆったりとした時間が流れるとてもあたたかな場所でした。
老犬は若い犬と違い、比較的医療費がかさみます。たくさんの人の手が必要です。
課題もいろいろありますが、テレビ放映の影響などもあり善意が集まることも多いそうです。
なった子たちのお骨もありました。生まれたときから亡くなるまでに関わったすべての方たちからの愛が溢れています。
山を背景に建てられた慰霊碑。虹の橋を渡った犬たちは、ここに眠っています。
長年人のために活躍してきた犬たちの、第二の犬生が素敵なものでありますように…
私たちに何ができるかを考えさせられるとともに、あたたかな気持ちになった訪問でした。
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